学校を卒業して初めて就職した先は建築施工会社
と、いっても家とかビルでは無く
偽物の岩をつくる造形施工で
入社から一週間の研修中に
「 ヘルメットが似合う 」 っていう専務の一声で
すごい大きな現場に飛ばされた
それこそ最初は詰め所での図面書きだけだったけど
そのうち工期がぱんぱんになってきて現場に入ることになった
入るだけだったらねいいんだけど
いきなり下請けのおっさん40人まとめるトップなんですよ
でもその時はなーんにも分ってない新人ですから
朝礼でみんなの前たって「よろしくお願いします!」と挨拶する自分に
ちょっとカッコよさ感じちゃったりで
20年前の話なのでまだまだ女が現場にいない時代だったから
みんなの話題性もあったし目立ちたがり屋が幸いして
”大変な事”に気が付かない自分がいたよ
現場もねその時はなーんとも思ってなかったけど
朝の8時からぶっとうしで毎日終電までの残業だったし
まだ週休2日制じゃないから1日しかお休み無いし
たまに8時に帰れる時なんてあっても
ラッキーみんなで飲み行こうよっって感じで
いつ寝ていたんだ自分?
そーれーにー
20年近く前だからセクハラも当たり前で
毎朝後ろからおっぱい摑まれたりしたし
でも武器になってたんだなー
「おっぱい触った変わりに今日の工程絶対終わらせろよっ」
とか
「ジジイっ昼休みにプリン奢れよ!」
とか平気で親と同じぐらいのおっさんに言えたから
反対に仕事しやすかった
ありがとうおっぱい
おっぱいなんてまだマシな方よー
九州宮崎の現場行った時なんか
「女が現場入ってくんなっ」って石投げられたから
石だよ石!びっくりよ
おかげで”もののけ姫”の「人間帰れ」のシーン見る度
な、涙が・・・・
と、このようなネタの笑い話にもなるようなこと盛り沢山
だから現場が楽しくて楽しくてしょうがなかったよ
みんな分ってるのお互いに
周りがやっぱり大人なのよ
社長も専務も常務も課長も上の会社も下請けの人達も
放り込まれた女の子が人の上たってどう回すのなんて
廻せるわけ無いことなんて
だからいっぱい教えてくれたし支えてくれたし見守ってくれていた
それが分るから私も懸命になれた
それが今でも凄い宝になっている
人から教えられることがどんだけありがたいことか
だから辛いじゃなくて楽しかったんだよ
今思えば本当にありえない仕事だったけど
今でも辛かったって思いは出てこない
むしろあそこにいた人達みんなにありがとうを言いたい
仕事って大変じゃないんだよ
教わるのにお金をもらえる素晴らしいシステムなんだよ
働くって楽しい
文章でみると、また違う感じでいいですね。
20年後、こんな昔話ができるかな 笑
周りの人に光を与える事ができるように、自分を磨いていこうと決めた夜でした。多くの意味でありがとう。フライトお気をつけて行ってらっせい。